今回は以前ご紹介した、実際に電波をつかんだ場所を確認できるツール『CellMapper』を使って、DoComo、au、ソフトバンク、楽天モバイルの5Gの回線エリアがどの程度広がっているのかを確認してみました。
CellMapperは基地局(アンテナ)の場所や実際に電波を受信した場所をマッピングするアプリです。
理論値を表示した公式の地図よりも正確な情報を確認することができます。
Android版アプリとWebブラウザ版がありますが、今回はiPhone利用者も確認できるようにWebブラウザ版でご紹介します。
結論(主観)
先に結論としてわたしの主観を書くと、2021年時点では、スマートフォンの端末選びやキャリア選びで5Gを気にする必要はありません。
現時点で5G(ミリ波)に対応しているモバイル端末は数少なく、対応していても5Gを体感できるような機能、アプリはほぼありません。強いて言えば通信速度を計測するアプリ程度です。
動画等の大容量データを速くダウンロードできるというメリットはありますが、近年の動画サービスはストリーミング再生が主流なので、モバイル端末の小さい画面ではこれまでの4Gによる通信で十分と思われます。ダウンロードしたければ屋内のWi-Fiを使いましょう。今回は触れませんが、Wi-Fiも高速通信が向上した新規格Wi-Fi6が今後主流になっていくでしょう。
そもそも5Gはその特性上(後述します)対応エリアがかなり狭く、大都市圏でも限られた場所でしか拾うことができません。
スマートフォンを日常的に使うという目的であれば、屋外で動画を見たい場合はストリーミング、屋内で動画を見たい場合はWi-Fi、というこれまで通りの使い方で、5Gにこだわる必要はない、というのがわたしが出した結論です。(あくまで主観)
現時点では5G対応のスマートフォンを持つメリットは、『最先端技術を持っている』という精神的な要素が多いかと思いますが、5Gは医療や自動運転をはじめとする社会インフラに技術革新をもたらすものだと期待されています。忘れたころに当たり前のように5Gを利用した技術に触れていた、という世の中になるまで気長に待ちましょう。
5Gをさくっと解説
5Gは次世代の通信規格です。
特徴として『超高速』『超低遅延』『多数同時接続』を謳っており、通信速度だけ見てもこれまでの4Gと比較して、理論値で10倍以上の速度で通信を行うことが可能です。
日常生活で5Gの恩恵を受けるものの一例として、近年大幅に需要の増えている動画サービスが挙げられます。YouTubeをはじめ、Netflix、Amazonビデオ、Hulu、U-NEXT等のサブスク動画サービスを屋外でも高画質で楽しむことができます。が、前述した通り上記サービスはストリーミング再生が主流です。
ちなみに5Gは『ミリ波』と『sub6』に分けられます。
『sub6』は『なんちゃって5G』とも揶揄されますが、これまでの4Gよりもちょっと速い、という認識でいいかと思います。5G対応と書かれているスマートフォンはこのsub6である場合が多いです。
5Gの特徴『超高速』『超低遅延』『多数同時接続』は『ミリ波』を指した説明であることがほとんどです。
『ミリ波』は特性として直進性が強く、遮蔽物や雨に弱いです。そのため4Gと比較して多くの基地局を用意する必要があり、まだまだ使用できるエリアはかなり局所的で大都市圏に限られているというのが現状です。
今回は東京都周辺の首都圏を例に5Gエリアをご紹介します。
CellMapperで4社の5Gエリアを比較(首都圏)
CellMapperで3大キャリア+楽天モバイルの5Gエリアを比較してみました。
画像はクリックで拡大することができます。
ボタンを押すと、5Gに設定された各社のマップが開きます。
地図の見方
地図を拡大・縮小、ドラッグしてご自身が確認したいエリアを表示してみましょう。
地図上の赤い丸●はアンテナが設置されているおよその場所を表します。
色付きのドット■は実際に電波を受信した場所と、その電波の強度を表します。
緑■であれば電波強度が強く、赤■であれば電波強度は弱くなります。
アンテナ●をクリックすると、そのアンテナの電波を受信できるおおよそのエリアが枠で表示されます。
また、画面左には選択したアンテナの個別情報が表示されます。
さいごに
ご自身の活動範囲の5G回線状況は確認できたでしょうか?
かなり限定された範囲でしか使えないことがおわかりいただけたかと思います。
冒頭で述べた通り、2021年時点では5G対応スマートフォン、5G対応プラン、5G対応エリアにこだわったキャリア選び等は気にする必要はないというのがわたしの感想です。
2020~2021年は、通信品質は維持したままで、コストを抑えたキャリアやプランが多く登場しました。
効果を実感できない5Gにまどわされず、キャリア選びの幅を広げてみるきかっけになれば幸いです。
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