プログラミング入門として、Pythonにおける『if文(いふぶん)』の使い方を解説します。
if文は条件によって処理の内容を切り替えたいときに使用する書き方です。
『この条件のときはこの処理をさせたい』といったときに使います。
if文を使うことで『自動で判断させる』というプログラムらしい動きをさせることができます。
プログラミングを行う上では必須の知識となりますので、早いうちに慣れておきましょう。
この記事は20分程度で読めます。
環境について
今回の解説は、PCにPython3をインストールした環境で行います。
まだインストールしていない場合は、次の記事を参考にしてください。
また、Pythonの開発環境として、Visual Studio Code(VS Code)をおすすめしています。
簡単なプログラムの作成方法、実行方法も解説していますので、まずはこちらからご覧ください。
Windowsの場合
Ubuntu(Linux)の場合
UbuntuはあらかじめPythonがインストールされています。
Raspberry Pi OSの場合
Raspberry Pi OSはあらかじめPythonがインストールされています。
if文とは
if文は条件によって処理の内容を切り替えたいときに使用する書き方です。
『この条件のときはこの処理をさせたい』といったときに使います。
if文の書き方自体はシンプルですが、条件の書き方(条件式)には種類があり、複数の条件を組み合わせることで複雑な判断を瞬時にプログラムに行わせることもできます。
if文を使うことで『自動で判断させる』というプログラムらしい動きをさせることができます。
言葉で書いてもよくわからないので、実際に作って使ってみましょう。
ひとつひとつわかりやすく解説していきます。
なお、今回の解説では『変数』を使用します。
変数が何なのかわからないという方は、まずはこちらの記事からお読みください。
if文の使い方
基本的な使い方
まずは次のPythonプログラムを実行してみましょう。
変数objに代入されている文字列が『いも』かそれ以外かを判定するシンプルなプログラムです。
obj = "いも"
if obj == "いも":
print("objはいもです")
else:
print("objはいもじゃないです")
実行結果に次のように表示されたら成功です。
objはいもです
うまく表示されない場合は入力ミスがないかよく確認しましょう。
“ ”の中の文字列以外は必ず半角文字で入力しましょう。
[print]の前の空白も必ず入力が必要です。
解説
if文について解説していきます。
if文は次のような書式で使用します。
if 条件:
条件に当てはまる場合に行う処理
else:
条件に当てはまらない場合に行う処理
前項のプログラムの例でいうと、条件は『obj == “いも”』です。
ここでは変数objの中身が『いも』という文字列と等しければ条件に当てはまります。
このように『A == B』と書いたとき、『==』は『AとBが等しい』という意味で使われます。
変数の代入の際に使用する『A = B』とは違う扱いになりますので、注意しましょう。
ifやelseの中の処理は、字下げの空白(インデント)の後に入力します。
今回は単純にprint(“ ”)で文字列を表示しています。
試しに変数[obj = “いも”]を[obj = “ねこ”]と書き換えて実行してみましょう。
『if obj == “いも”:』の条件には当てはまらないため、
『objはいもじゃないです』と表示されます。
elifの使い方
複数の条件分岐
ifに加えてelifを使うことで、複数の条件分岐をさせることができます。
次のプログラムを実行してみましょう。
obj = "いぬ"
if obj == "いも":
print("objはいもです")
elif obj == "いぬ":
print("objはいぬです")
else:
print("objはいもでもいぬでもないです")
次のように表示されたら成功です。
objはいぬです
解説
elifは次のような書式で使用します。
if 条件A:
条件Aに当てはまる場合に行う処理
elif 条件B:
条件Aに当てはまらず、条件Bに当てはまる場合に行う処理
else:
条件Aにも条件Bにも当てはまらない場合に行う処理
ifと同じくelifでも条件を記述することができます。
条件の書き方はifの場合と同じです。
試しに変数[obj = “いぬ”]を[obj = “ねこ”]と書き換えて実行してみましょう。
『obj == “いも”』『obj == “いぬ”』どちらの条件には当てはまらないため、
『objはいもでもいぬでもないです』と表示されます。
自分なりに条件を追加したり、変数の中身を変えたりしてif文の使い方になれてみてください。
比較演算子について
条件式の書き方
『==』のような条件式のことを比較演算子と言います。
比較演算子は『==』以外にも存在します。
次のプログラムを実行してみましょう。
num = 6
if num > 5:
print("numは5より大きいです")
else:
print("numは5以下です")
次のように表示されたら成功です。
numは5より大きいです
解説
今回は比較演算子『>』を使用しました。
実行結果を見てわかる通り、『num > 5』は『numは5より大きい』という条件式になります。
試しに変数[num = 6]を[num = 5]と書き換えて実行してみましょう。
『numは5より大きい』という条件には当てはまらないため、
『numは5以下です』と表示されます。
比較演算子には他にも次のようなものがあります。
比較演算子 | 使い方 | 意味 |
---|---|---|
== | A == B | AとBは等しい |
!= | A != B | AとBは異なる |
< | A < B | AはBよりも小さい |
<= | A <= B | AはB以下 |
> | A > B | AはBよりも大きい |
>= | A >= B | AはB以上 |
厳密にはこれ以外にも比較演算子はありますが、ほとんどの条件式はこれらの比較演算子で書くことができます。
自分なりに比較演算子を変更して条件式を作成して実行してみましょう。
論理演算子について
条件式の組み合わせ
条件式は複数を組み合わせて使用することができます。
次のプログラムを実行してみましょう。
num = 6
if num >= 5 and num <=10 :
print("numは5以上、10以下です")
else:
print("numは5より小さいか、もしくは10より大きいです")
次のように表示されたら成功です。
numは5以上、10以下です
解説
今回は条件式『num >= 5』と『num <=10』の両方に当てはまる場合の書き方として『and』を使用しました。
『and』のような複数の条件式を組み合わせるものを論理演算子といいます。
試しに変数[num = 6]を[num = 100]と書き換えて実行してみましょう。
『num >= 5』と『num <=10』どちらの条件にも当てはまらないため、
『numは5より小さいか、もしくは10より大きいです』と表示されます。
論理演算子には他にも次のようなものがあります。
論理演算子 | 使い方 | 意味 |
---|---|---|
and | 条件A and 条件B | 条件Aと条件Bどちらも満たす |
or | 条件A or 条件B | 条件Aと条件Bどちらかを満たす |
not | not 条件A | 条件Aを満たさない |
自分なりに論理演算子を使ってプログラムを作成してみましょう。
Pythonの魅力
Pythonは世界的にも人気の高いプログラミング言語のひとつです。
汎用性が高く、データ分析やWebアプリの開発等、幅広い分野で使用されているほか、日本の市場で今後も拡大することが予想されるAI(機械学習、ディープラーニング)技術との親和性も高く、Pythonを扱えるエンジニアの需要は伸びていくことが予想されます。
そのため開発言語として採用する企業も増えています。
市場動向調査では、Pythonエンジニアの求人倍率は約53倍と非常に高く、慢性的に人材が不足している状況です。
参考: レバテック『2021年12月のITエンジニア・クリエイター正社員転職/フリーランス市場動向』
また、プログラミング言語別の年収調査ではPythonは3位と高い水準にあり、中央値で575万円、最大提示年収で1,499万円と、日本人の年収の中央値397万円を大きく上回りました。
参考: BIZREACH『プログラミング言語別年収中央値を発表、求人検索エンジン「スタンバイ」調べ』
参考: 時事ドットコム『【2022年最新】日本の「平均年収」「年収中央値」を調査』
このように、Pythonは将来性の高いプログラミング言語と言えるでしょう。
就職、転職、副業を目指す上で、身につけておきたいスキルです。
Pythonの学習難易度は他のプログラミング言語と比べると比較的低いとされています。
独学で習得することも可能ですが、近年はオンラインスクールを利用して短期間で集中して実務レベルまで習熟させるという方も増えています。
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ITエンジニアとして働き高い収入を得るための先行投資として、オンラインスクールは一つの選択肢となり得るでしょう。
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こちらの記事ではオンラインスクールを受講する価値はあるのかについて解説しています。あわせてどうぞ
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